女装した男と踊るくらいならこの凶悪ポーカーフェイスと踊る方がまだマシだ。
ピンヒールで踏まれるかもって恐怖感は拭えないけど、踊りながら吹き出すことを思えば背に腹は変えられない。
なんて思って声を上げた俺を、
「聞き捨てならないわ。マシってことは大城くんにとってわたしはギリギリで女子として見なされてるってことなのかしら?」
椅子から立ち上がった君原妹がいつもより凄みのあるポーカーフェイスで睨み上げていた。
しまった……。
とっさだったとは言え、思わず本音が出てしまったじゃないか。
しかも事も有ろうに君原妹張本人に全部見透かされてしまってる。
……ヤバい最悪だ。
とうとう俺の最大の弱点である寿梨への片想いを本人にバラされてしまう!
どうにか君原妹の機嫌をこれ以上悪くしないようにしなければ!
「い、いやっ。これは……言葉の綾で。決してッ」
詰め寄ってくる君原妹にしどろもどろで言い訳するけど、ポーカーフェイスのど迫力に気後れしてしまう。
周りの奴らと言えば、寿梨はオタオタと狼狽えてるだけ。
KYバカコンビはこの後の展開に期待して止める気もない。

