「大丈夫。これくらい平気だからっ」
だったら!
散々落とされた俺の評価を挽回するには、こういう所で地道に優しさをアピールするしかない。
優等生モードONで爽やかに返答した俺に少しオドオドした眼差しを向けた後、
「じゃあ……少しだけ、持ちます。視界、危ないから」
こう言って手を伸ばした寿梨が山の頂上辺りを一掬いした。
「助かるよ、ありがと」
「あ……いえ」
合わせた視線に爽やか笑顔を浮かべた俺に、寿梨は恥ずかしそうに目を逸らした。
多分……緊張してんだよな、これは。
前にそう言ってたし。
……嫌われてんじゃないよな?
寿梨の反応に一喜一憂してしまうのが我ながらカッコ悪い……。
小さな布の小山を手に俺の傍らをちょこちょことついて来る寿梨が、
「わたし……誤解、してました」
「へっ?」
「大城くん、のこと。頭良いし……モテるから、プライド高くて……話しにくそうって」
たどたどしいけど普段よりハッキリした声でこう言って、チラリと俺の顔を見上げた。

