男子、恋をする


うずたかい山を受け取る瞬間に一言、



「寿梨が飛鳥を庇うのはいつものことよ。気にしなくていいわ」



ボソリと囁かれた言葉が励ましだって気付いたのは、



「それじゃよろしく」



俺と寿梨に振り返った顔がいつものポーカーフェイスだったのを見た数秒後だった。



……多分からかう気なら容赦無く直接的にやってくるはずだからな、コイツは。



なんてことを考えながら生徒会室に向かって足を進め始める。


俺と二人にされた途端、傍らの寿梨からにわかにオドオドなオーラが醸し出されてヘコむ。


……やっぱり俺と二人は嫌なんだな。



「あのっ、半分……持ちます」


「えっ?」


「量……多いから」



うずたかい布の山で半減した視界の隅で、斜め下から寿梨が俺を見上げている。



思わず顔を向けた俺に眼鏡の奥の瞳は泳いでるけど……。
精一杯俺を気遣ってくれてるのはわかる。



だって寿梨の方から声掛けてきたし。


少しは気を許してくれてると思ってイイのか……?