「布の端っこに血がついてたわよ。こんなの貰ったら愛情より怨念を感じるわ」
「ぅっ……」
「赤いわよ、顔」
「お、おまえが悪いんだろっ!」
ふふっと妖しく笑う君原妹の行動はどれもこれも俺の心臓に悪い。
俺の心臓が繊細に出来てたら発作が連発してるだろう。
……ガラスのハートの方はもう慢性疾患状態だけどな。
コイツに出会ってから俺の心はトラウマだらけでボロボロだ。
「もう猫被らないのね」
「よく言うな……。人のイメージをボコボコに潰しといて」
「あら。わたしは一言もみんなの前で大城くんが猫被ってるなんて言ってないわ」
「……もういい」
ワザとらしくこう言った顔はさっきから変わらない妖しい笑顔。
この顔に勝てる気なんてサラサラしないからな。
「今の方が素敵よ」
「は、はぁっ!?」
「今の大城くんの方がわたしは……」
妖しい笑顔が不意に緩んだように見えた瞬間。
不覚にもバクバクと鳴り響く鼓動。
それをバラすまいと必死に抑えようとしていた時だった。
「あっ、あのぉ!」
「っ!?」
「あら寿梨」
君原妹の言葉を遮るようなタイミングで寿梨が俺たちの前に現れた。

