ー親愛―





それから沙耶は 多田慎二の事は話さなかった




それからは沙耶の友達の話しや学校の事 沙耶の家族の話しをしたけど 私の耳にはほとんど入ってなかった




多田慎二達は ファミレスに入って来てから 食事を摂り30分程で 帰って行った




そして私達は コーヒーとオレンジジュースで3時間過ごした




外はもう真っ暗で 私は沙耶の話しを聞きながら走って行く車のライトとテイルランプをぼーっと見つめていた




“また 付き合ってネ”




って 笑顔で言うから… なんだか涙が出そうになるよ




“今度は八重の好きな人の事教えて”




“うん。ありがとう…”




沙耶は 家が近いからと、お母さんに迎えに来てもらい 私はそのままファミレスに残る事にした