ー親愛―





“……………。”




返答に困る私を見て 沙耶は何かに気付いたようだった




“八重、あたしさ。八重の恋のキューピッドになってあげるよ”



《恋》という言葉に 一瞬にして赤面してしまう




“まずは、眼鏡取って”




私は何がなんだか分からないまま、沙耶の言われるまま眼鏡を取った




“やっぱり。あたしの思った通りやわ”




これまた 何の事やら分からない




“八重、コンタクトにしたら?その方が絶対カワイイ!!”




沙耶の好きな人の話を聞くはずが いつの間にか私の事で盛り上がりだす







……なんだか 本当、めちゃ楽しい




“沙耶…?”




“なんやの?”




《私、沙耶の事 親友って思ってもイイ?》なんて 柄にもない事を言おうとした時だった




“あぁぁぁ!来たわ!”




パッと沙耶の顔が明るく輝く




私はレジの方を振り返った