ー親愛―









施設長から電話があったのは 深夜3時のことだった







テーブルに置かれたたくさんの料理は 誰の口に入る事もなく冷めきっていた






部屋に明かりが灯る事もなく ただ大和と二人 冷たいフローリングの床に座りこんでいた時だった






大和は嗚咽で声にならず ただ“はい”と頷く事しかできなかった







飛行機事故の起きた現場は 誰ひとり立ち入る事さえ許されない状態で、風下にあった小さな村には なんとも言えない焦げ臭い臭いが漂っていたらしい






施設長は 事故の起きた飛行機にシンが乗っていない事を願いながら、乗客名簿を見せてもらったらしいが…………その願いは打ち消された













私はまだ シンが帰って来る気がして、シンが突然帰って来ても良いように 毎日、三食の食事を作った