ー親愛―





もうすぐゴールデンウイークがやってくる





大和は最近知り合ったという女の子と撮ったプリクラを私にニコニコして見せに来る


“どうなの?脈あり?”

“…どうかな?俺にはお前以上の女は見つからないけどな”


“嘘ばっか……”



大和は私と別れてから、たくさんの女の子と付き合ってるようだけど、一ヶ月と もっていないみたいだ



“どう?主任からは…相変わらずハガキだけか?”


“うん。…でも、ハガキが来るのは生きてる証だからね”


“そうか…………。八重?もう一度”



《やり直さないか?》きっと、大和はこう尋ねたかったのだろう


だけど 私は話しをごまかした


今 誰かに優しくされたら、気持ちが傾いてしまう


シンがいなくなってから シンの存在を感じる事が薄くなり、だんだんとお腹もしんどくなり 心細くなっていく私にとって……………………………… 優しさは この上なく身に染みてしまう






“香坂先輩、イイですか?”


私と大和の間に入って来た女の子は4月から入って来た―伊藤サキさんは 学生時代に運動部だったせいか私を『先輩』と呼ぶ


“うん。なに?”



大和との気まずさを打ち消すように 伊藤さんの方へと向かって行く







―シン―
貴方がいなくなっても 周囲は 変化し続けています。だけど、私だけ取り残されている気がするのは どうしてかな?
どんなに 貴方からもらったハガキを見ても 満たされる事はありません。




シン………早く

早く帰って来て…