「何組かわかるか?」
「渡辺か?え~っと・・・宮本!渡辺のクラスわかるか?」
騒がしいクラスの中で、島田が叫んだ。
「どの渡辺だ~?」
前の方で、宮本が返事をした。
島田がこっちを向く。自分で言えと言っているようだ。
俺は、宮本に聞こえるように大き目の声で答えた。
「渡辺大志だ。」

あたりが静まり返った・・・。みんなの視線が俺を向いていた。
ひそひそと声がしだしてから、少し経つと、まわりはまた始めの騒がしさに戻っていった。