永遠の時間

「いろいろとありがとうね。あの子、きっと幸せだったと思う。あの子ね、旅立つ前に言ったの。『みんなに出会えて良かった。ありがとう』って」
聖奈の母親は、涙を流していた。
「俺、何もできませんでした。一番辛いはずなのに、いつも笑ってて。なんか俺、見てるの辛くて。俺、聖奈を幸せにできなかったんです」
朱夜は必死に涙をこらえた。