「歓迎会は夕方からだから、また迎えに来るね」
じゃぁ…と閉められた扉に、あたしの顔は一気に緩む。
かっこいい!
優しい物腰に、柔らかい笑顔。
薄いベージュ系の色素の薄い髪が、白い肌に良く映える。
「マジで王子さま…?」
「神はそんなんじゃないよ」
声のする方を見ると、窓からひょっこりと顔を出している男の子と目があった。
「はじめまして。僕は相澤颯斗だよ」
「相澤…ってことは」
うん、と頷き、颯斗は軽々と窓から部屋へ入ってきた。
「寮長の弟。兄貴の寮の新しいヘルパーが誰か気になって来てみたら…。ねぇ、ヘルパー室変えて貰った方がいいんじゃない?女の子が1階なんて危ないじゃん!」
「え?いや…、」
「お前がそれ言うかぁ?」
いきなり遮られた言葉に、声のした窓の外を見ると、フェンス越しにバスケットコートに居る叶と目があった。

