奏はあたしの目の前に立ったと思ったら突然片膝をついた。 その姿はまるで本物の王子様。 「冗談じゃないよ。美香、俺と付き合ってください」 王子は、あたしに手を差し伸べながらほほ笑んで言った。 この人なら信じられる。 あたしは王子が差し伸べた手に手をそっと置いた。 そしてあたしはそのまま王子に体を引き寄せられた。