お姫様と王子様





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美香に初キスをした日から約一週間後、


俺はまた、ピンチを向かえている。






「八尾高校から転校してきた岡野唯(オカノ ユイ)です。よろしくお願いします」




岡野って…


俺の婚約相手の苗字と同じじゃねーか。





どうしよ、本当にそうだったら──────…



「岡野さんはあそこの席でいいかしら?」

「はい」



あ、良かった。俺と結構離れてるじゃん!



この紹介が終わったら、さっさと教室から逃げよう。




「あ、そうだ。神城君、あとで資料取ってきてもらっていいかしら?」

「はい」



うわっ!岡野サン、

俺のことめっちゃ見てる───…



これはヤバイ。



俺は担任が教室を出たとほぼ同時に教室を走って出て行った。