俺も茜ちゃんに挨拶をした。


「はじめまして、茜ちゃん」


挨拶をしたら茜ちゃんは驚いたのか夏希さんの後に完全に隠れてしまった。


「すいません…茜が」

夏希さんが申し訳なさそうにしていると母さんが


「いいえ、はじめてですもの仕方ないわ」


ちょうどその時、上月さんの所に人が来て何かを伝えて行った。


「すみません、急な案件があがりまして」


「大丈夫です。急いで行って下さい」


そこで、夏希さんがくちをはさんだ。


「あなた、茜は連れていけないわよ」


「…そうだったな」


上月夫妻は娘を一人にすることを心配しているようだ。


その話を聞いて父さんが


「もしよろしければ私達がお預かりしましょうか？うちにはセツナも居ますし」


「しかし、お邪魔になるのでは……」


夏希さんが申し訳なさそうにこたえた。


だから俺は自分からも話しかけた。


「僕は大丈夫ですよ。茜ちゃんが嫌ではなかったらですが」


「本当ですか♪」


夏希さんは安心したようで、笑顔になった。


「茜ちゃん、パパとママちょっと行くところがあるからこのお兄ちゃんと待っていてくれる？」