僕はその手をそっと握ることしかできなかった

彼女の運命の人は十年後に現れる。

音楽学校を主席で卒業し、コンクールで優勝を勝ち取る彼女は、夢を叶えてピアニストになる。

日本で行われた彼女の最初のクラッシクコンサート。

そこにボクと沢田副部長と美朝さんは招待される。

ピアノコンチェルト疲労した彼女に、日本人指揮者がその場でプロポーズをした。

驚いて、その場で指揮者に手刀を決めてステージを下りて行った。

その数ヶ月後、結婚しましたとメールが送られてくる。

この日が来るまでボクは空撫さんの幸せを祈り続けるんだ。