聞こえたのは彼のゆっくりと早い、そんな鼓動だった。 ぎゅっと引き寄せられて、背中に力強く彼の腕が回される。 本当はこれがほしかった。 ぽっかりと空いた心には彼の存在が必要だった。 彼が本当に好きなんだ、いや愛してる。 「結衣、俺もお前が好きだ」 ふっと、彼の白い吐息が耳にかかった。 淡い吐息が凍るような朝に。 手に入れたのは最愛の人