苛立ちと、タオル一つ出てこないバハマ警察に失望していたところ、連絡を受けたケビンが足早に駆け込んできた。

「さくらっ!」

やっとさくらの顔にも安堵の表情が戻った。

「あぁ、良かった。さくら、どこも悪くないかい?あぁ、さくらっ!」

ケビンは半泣きになってさくらを抱きしめる。

さくらも全身全霊で心配してくれているケビンに答えようと、必死でその厚い胸に顔をうずめしがみつく。

「なぜ、彼女を拘束しなければならないんです?彼女は被害者だ!」

ケビンが部屋中に聞こえる声で、怒鳴り散らす。

「帰ろう、さくら。」

二人は周りがシラッと見る目にも気をかけず、さっさとその場を立ち去った。