小学生高学年の頃からりかちゃん人形のようなバランスの良い体系をしていたが、その外見とは裏腹の『地味』な性格がたたってか、中学では『地味』に稽古する剣道部を選んだ。

そしてそれ以来、根っからのスポ根にはまり『最新のファッション』などとは無縁の汗臭い思春期を過ごしていた。

そんな彼女に、両親は安心感とある種の心配とが入り混じった目で、彼女の健やかなる思春期を見守っていた。

彼女の女性剣士としての腕前はそこそこで、団体戦では『大将』、県大会の個人戦では必ず四位までには入っていたが、実力に反して

「あのぉ、あれ、誰だったけ。」

と、観客席にはまるで名前を覚えてもらえない。

その上試合ではあんまりぱっとしない不運によく見舞われた。

しかしルイはそんなことにもめげず、かかさず毎日の練習に精を出し、飽くことなく日々精一杯青春の汗をかき、全身全霊を注ぎこんだ剣道に決して色あせることの無い情熱を注ぎ込んでいた。