「ごめん。彼氏が来てたみたい」

私が助手席から降りると同時に雅彦も降りてきた。




「誰・・?こいつ?」



穏やかな口調だったけど・・



明らかに怒っている目。




「仕事場の人だよ。送ってもらったの」

「で・・?それは何?」

「あ・・これね。寒いからジャンバー貸してくれたから」





さっき私に渡してきたジャンバーを返さずに、車からでてきてしまったのだ。

本当私って・・ばか・・



「あ・・」


有無も言わせないって表情で雅彦は、ジャンバーを取り上げ大河の所へ向かっていた。


「あんた。会社のやつなんだって?」

「そうだけど・?」

「あいつが世話になった。それとこれ」


無表情でジャンバーを手渡して、それだけ言うと


「行くぞ!」


私の右手を捕まえる。


痛い・・



思わず言い出しかけたけど・・ぐっと我慢。



だってそれ以上何か私が言っただけで、破裂しそうな水爆弾みたいだったから。