「マジで寒いよな」

体を大きく揺すりながら、暖房が効くのをじっと待っている。


「タバコ吸っていいか?」

「いいよ。私も吸うから」

震える指先で、タバコを取り出していた。


「それ・・?」

「ああ・・これな」



よく見ると、私があげたばかりのライターを手にしている。



「サンキューな」


ちょっと照れくさそうに、ちらっとこっちに視線を落とし再び前をむきはじめていた。





そういえば・・いつからかな・・?



雅彦に素直にありがとうとか言えなくなったのは・・






それよりか・・


最初っからだったかもしれない。





「着いたぞ。」





勢いよく流れる景色をぼんやりとみつめていたら、あっという間に私の家の前に車は着いていた。



「ありがとう」



そう告げて車から降りようとした瞬間、助手席側に静かに黒い見慣れた車が、ぴったりと横につけてきた。



そう・・










雅彦だ