車の中は、冷え切った空気で包まれていて、ひょっとして外より寒いんじゃないかって思うぐらい。


「寒いよな?ちょっと待ってろよ?今エンジン暖まるから」

小さく頷いていたら、頭の上からふわりと、ジャンバーが降ってきた。


「とりあえず着てろ」

大河も寒いはずなのに、自分のジャンバーを私に羽織らせたのだ。

「ありがとう」


黒いベルベットのようなジャンバーからは、タバコの匂いと大河の匂いがしてきた。


「暖かい」


さっきまで、大河が着ていたかと思うと、妙に男としと意識をしちゃうよ。