「雅!!」



「オイ!そいつ離してくれねぇ?」


前にも増してあたしを捕まえてる手に力が加わる。





「痛いよ!山下さん!」


「オイ!ハゲ!痛いって言ってんだけど?
聞こえねぇの?」

その言葉に反応したようでようやく、山下はゆっくりと顔をあげた。



「なんですか?君は?
僕達の間に入らないでくれるかな?」




「俺?コイツの男だけど?」



その隙に、雅彦は私の腕を、山下から引きはがし背中へ私を素早く隠す。



その出来事に、驚きを隠しきれないと言う表情で、背中でしがみつく私の様子を伺っている。

「君か…浮気相手は?
悪かったね?美沙は好奇心で君に近寄ったみたいだ。
君は、彼氏でもないんだ。
さっ!美沙行こうね。」


山下は手を差し延べて私に、来るよにう促してきた。


「お前?喧嘩売ってんのか?」


「雅、ダメ!切れたらダメ!」


「あ゛?お前車に乗ってろ!!」

もうこうなったら私が止めるのは無理みたいで。


いつもと違う雅の口調に、大人しく雅彦の車で見守るしかない感じだった。











「美沙・・・?車間違えてない?僕の車は後ろだよ?」