『降下を志願する』

リラックスムードの基地内。

しかしデルタもレンジャーも、明日には作戦を控えていた。

ソマリア民兵の将軍モハメッド・ファッラ・アイディードの副官二人の逮捕。

和平に反対するアイディード派がいつまでも愚図っているせいで、この国の内戦はいつまでも終わらない。

お陰で俺達アメリカ人が、こんなクソ暑いアフリカの国にまで出張って来なきゃならん。

「面倒なこった」

手札を確認しながらゴードンが呟く。

「ぼやくなよ、だったらデルタになんて志願しなきゃよかっただろ?」

シュガートも同様に手札を前に舌なめずりする。

「……」

無言のまま、ゴードンはポーカーに集中した。

別にデルタに不満がある訳じゃない。

アイディード派の連中の頭の中を疑っているだけだ。

何で平和が気に入らないのかね。

いつまでも駄々こねてるから、国連のPKOなんてのに介入される。

それを棚に上げて、『他国の揉め事に干渉するんじゃない』だって?

笑わせやがる。

「オープン」

お互いに手札を見せ合う。

またもシュガートの勝ち。

これで7連敗だった。