『降下を志願する』

ガリソン少将がやって来て、青筋を立てながらピラとネルソンに説教を始める頃。

「そういや知ってるか?」

カードをシャッフルしながらシュガートが言った。

「新入りが来たらしい」

「新入り?明日にも作戦の指示があるかもしれないってのにか?」

ドリンクで喉を潤し、ゴードンが返す。

「ああ。確か…トッド・ブラックバーン上等兵だったか。レンジャーの方の所属だ」

この基地にはデルタの他に、もう一部隊駐在している。

第75レンジャー連隊。

通常戦闘と特殊作戦の両方を遂行できる3個大隊規模の精鋭部隊である。

デルタと同じく精鋭部隊といっていいだろう。

「ハイスクール出立てみたいに、落ち着きのない奴だそうだ」

シャッフルしたカードを配りながらシュガートが笑う。

「デルタじゃなくてよかった。子供の世話は苦手だ」

ゴードンもつられて笑った。

ガリソン少将の説教は、尚も続いていた。