『降下を志願する』

「少しは遠慮ってものを知れシュガート。俺は曹長だぞ」

仏頂面でカードをかき集めながらゴードンが言う。

「ポーカーに階級は関係ないだろう」

シュガートは笑いながら切り替えした。

同じデルタ、同じスナイパー。

階級も年齢も超えて、二人は気の合う仲間だった。

共にタフな戦場を経験してきた仲間。

安心して背中も任せられる。

信頼という言い方をするならば、お互いにこれ以上ない信頼を抱いていた。

…向こうの方で、仲間達の笑い声が聞こえる。

ショーン・ネルソン特技下士官とドミニク・ピラ三等軍曹が寸劇をしている。

ガリソン少将の物真似だろうか。

確かによく似ている。

爆笑を誘っているが、ピラもネルソンも、まだガリソン少将に睨まれている事には気づいていないようだった。

…ご愁傷様、だな。

ゴードンは心の中でほくそ笑んだ。