『降下を志願する』

エヴァーズマンは躊躇う。

まだこのモガディシュには多くの仲間達が取り残されている。

自分達の部隊よりも酷い重傷を負い、撤退すらままならない者達もいる。

そんな者達を置いて、自分だけ基地に戻るのか…。

「エヴァーズマン!」

兵士が彼の肩を掴む。

「部隊の仲間を無事帰還させるのも、班長の役目だ」

「……!」

その言葉に、彼は頷く。

苦渋の決断だったに違いない。

彼らは次々とハンヴィーに搭乗する。

そんな中。

「俺は残る」

飄々と言ってのける兵士。

デルタフォースの古参兵フート一等軍曹だった。

「俺は生憎とレンジャーでも、エヴァーズマンの部下でもない。好きにやらせてもらう」