『どうしたんですか??』

『送る』

『えっ??何を??』

『おまえ』

『あたしを…送る…??』

『そう』

『いや…そんな…悪いですから…一人で帰れます』

『おまえ一人だと危ないだろが』

『…。』

『ほら行くぞ』

『えっ…あっはい』

佐藤先輩の後を追った。




『家どこ??』

『こっちです』

あたしは黙々と道案内した。

あたしの家はカラオケ店から歩いて10分くらいのところにある。

『家、ここです。あの…ありがとうございました』

『じゃあ』

そう言って佐藤先輩は来た道を戻っていった。

(先輩…家あたしと逆方向なんじゃ…)

あたしは申し訳なく思った。