~陽華~◆3月21日(土)◆ 「お留守番お願いね!」 玄関で母の声がした。 「今日も出張?」 「ゴメンね。いつも一緒に居られなくて。」 「大丈夫だよ♪それよりお母さん気をつけてね!!」 「ありがとう。じゃっ、行って来るね。」 バタンッ!! 静かな家に響いた。 この家に居るのは、私と母だけ。 父は私が幼い頃に出て行ってしまった。 もう顔も覚えてないし、どこに住んでいるかも、生きているかも、分からない。 寂しさを紛らわすために写真の入った小さな箱の缶を出して写真を一枚ずつ見ていった。