夕食の時も、涼輔さんはいつもと同じ様子だった。


どことなく、寂しそうな顔をしていたのが気になったけれど、とりあえず気にしないことにした。



「そういえば、宗輔さん今日何にも食べてないよね…」



夕食後の、静かなリビングでそう思い立ち、夕食を乗せたお盆を手に宗輔さんの部屋の前に立つ。



物書きって、大変なんだな。文学かな?何書いてるか知らないんだよね…。



ノックしても返事がない。

仮眠中かな?



とりあえず置いておこうと部屋に入ると、



そこには、



大画面のテレビに映るアダルトな映像、
床に転がるメイド姿の人形、
スッチーやナース服などの制服、
手錠にローソク、網タイツ…



立ち尽くした私に気付いた宗輔さんが、向かっていた机を離れて近付いてきた。


「や、ありがと。…びっくりしたよね?」



と、私の手からお盆を取る。



「物書きって…」


やっと出た声に、



「見ての通り、大人の小説です。」



と、宗輔さんが爽やかな笑顔で答えた。