ボンッと音が出るくらいに初香の顔が茹で上がり、忘れかけていた先ほどの光景が目の前をちらつく。

「ほら、また支配されてる」

「だっ、だって・・・」



思い出しちゃったんだもんっ!



「だってじゃない。許さないからね?」

初香の腕をとって自分の首に巻き付けると、耳元まで顔を近づけてそれを甘噛みする。

淡い吐息と共に体をピクつかせた初香を引き寄せ、回した腕に力を入れた。

「お喋りはおしまい。俺にちゃんと集中して?いい?」

耳元で甘く囁くその声に、初香は微かな吐息で答えるのが精一杯だった。


壱哉の指も唇も、体に触れるたびに感情がたかぶり、ピンク色の吐息が零れ落ちる。

低い作りになっている棚は、無理な姿勢を強いられる事なく互いの体に刺激を送ることが出来る。

「・・・可愛い、初香。俺のだよ?」

耳たぶを噛みながらそう囁く壱哉の行動は、感情が激しくなりすぎた時のもので、そしてそんな壱哉に初香は堪らない気持ちになるのだ。


その後はもう頭の中が真っ白で、壱哉の事しか考えられなくなった。