その瞬間、再度沸騰した初香は恥ずかしそうに下を向いた。

「何?どうしてその反応?」

「・・・だっ、だってっ」

「イやらしいね、初香」

クスッと笑って見つめる壱哉に、初香の瞳は吸い寄せられてしまう。


中性的な顔立ちに、甘く綺麗な声。

柔らかい髪はいつも無造作に整えられており、雑誌のモデルのようだ。

体型もスラリと背が高く、一見華奢に見えるその体も程よく鍛えられた筋肉が付いている。

これは初香しか知らないことなのだが・・・。

壱哉を一言で言い表すなら、正真正銘のイケメンといったところだろうか。


そんな彼がモテないわけがなく、学校でも上位ランクに位置付けている。


「・・・やっ、やっぱりダメだよこんなコト・・・」

壱哉に攻められる初香が、上気した声で抗うがその言葉には全く効力はない。

「・・・止めてあげないよ?初香がいけないんだから」

初香の長く細い髪に指を絡ませ、壱哉が挑発するように笑った。

「俺のコトそっちのけで、他の人のあんなコト、まじまじ見るなんて凄くショックだったんだから」