"愛して"あげているつもりだった。

だから拒まず、
求められるまま、体を許した。
ただそれだけの事だった。



「貴方は意地悪です・・。」



そして・・勝手だ。



「出て行きたいなら、
何故まず、俺に言わないの?」


向かい合わせの
彼の顔が悲しそうな顔をしてる。

それで・・? 怒っていた・・?
サクヤと話でもしたのだろうか?

これは
話しておかなければいけない。
私は一呼吸いれて彼の目を見た。


「私ね、帰る所がないんです。」

「・・うん」

「だから・・もしまた、
ジュードさんにも
放りだされたら困るから。」

「・・・それだけ?」

「ええ。」


何故か彼は
私の顔を繁々と見つめた後、
吹き出して笑い始めるのだ。


「・・・ジュードさん?」


体を揺すりながら笑い、
自分の腕を
私の頭の下に敷いている。


「・・バカ! じゃ、ないの!?」

「・・・・・私?」

「他に誰が居る。
何だよ・・もう寝る。」


「え、待って下さい。シャワーを」

「俺は女の子がいい。」

「は・・?
兎に角、放して・・あンっ!!」



腰に回されていた手で脇の下を
クスぐり片眉を動かしていた。

何が気に食わなかったのか?

前回の、
"くすぐり地獄"が脳裏に蘇る。

ただでさえ体がだるいのに
もう逃げられない。



「・・もうロクに動けないだろ?」

「えっ? あっ・・・。ま、待って、
せめて何か着させて下さ、」


「バカ云ってンじゃないよ。
どうせ脱ぐじゃん、・・行くよっ。」


そう、
マッパ(真っ裸)で抱き上げられ、
シャワールームへ
連行されたのである。


優しい・・

と、思ったら
彼の目的は別にあった様だ
とだけ、云っておこう・・。