「やっぱりそうなんだ、どこか
で見たコだなぁって思った。」
俺は疲れているシアを部屋に
残し、ホテルから目と鼻の先の
ワインバーに来ていた。
カウンターには"王子"こと
カイトと並んで座ってる。
彼は坂巻をレコーディングに
呼んだ事があり、その時シアが
一緒に居たのを見たそうだ。
「だけど彼がよく手放したね?」
「どうして?」
「目が放せないみたいだった
から。時々、遠くに見て
笑ってたりして。」
「・・・。」
何故なんだよ?
そんな事・・
聞くんじゃなかったな。
グイ、と赤ワインを呷ると
俺の隣に誰か座ってきた。
その空気と共に、
嗅いだ事のある香水の香り。
カウンターに脱毛済みの白く
スラリとした腕。
長く、
こってり飾りの着いた爪。
「こんばんわ、久ぶりぃー。」
「・・こんばんわ。」
カイトはこの女、牧瀬美優と
云うアイドルが過去に俺と
付き合っていた事を知らない。
もし知っていたら、彼の事だ。
女に頼まれても呼びはしない。
もうどのぐらい経つか。
一年くらい付き合ったかな?
今となっては何が良くて
付き合ったんだかサッパリだ。
確かに容姿はいい。
歌はさして上手くもないが
大阪出身だしバラドル的要素も
あって人気だ。
でも、そんなものは
アクマで表面上のものだし
付き合えばただの男と女だ。
そう云えば・・
なんで別れたんだっけ?
「あのコの事、めっちゃ
可愛がってるみたいやん?」
チロン、っと
俺を横目に見遣った。
・・・ああ!! 思い出した。
そうだ、ハンパない
ヤキモチ焼きなんだった。
「当たり前でしょ? だって
あんなに可愛いんだよ?ねえ?」
「うーん。食べちゃっても
いいかな?って、思っちゃう
よねぇ。あ、ダメ?」
アハハハと彼と肘を付いて
笑い合うも、つい
センター分けから覗く広い
額にややキツめのデコピンを
カマしたりして。
俺は膝上に
携帯を取り出しメールをうつ。
件名は"避難勧告"で。
パターン的にはこの女、
これからヤケ酒になるから。
で見たコだなぁって思った。」
俺は疲れているシアを部屋に
残し、ホテルから目と鼻の先の
ワインバーに来ていた。
カウンターには"王子"こと
カイトと並んで座ってる。
彼は坂巻をレコーディングに
呼んだ事があり、その時シアが
一緒に居たのを見たそうだ。
「だけど彼がよく手放したね?」
「どうして?」
「目が放せないみたいだった
から。時々、遠くに見て
笑ってたりして。」
「・・・。」
何故なんだよ?
そんな事・・
聞くんじゃなかったな。
グイ、と赤ワインを呷ると
俺の隣に誰か座ってきた。
その空気と共に、
嗅いだ事のある香水の香り。
カウンターに脱毛済みの白く
スラリとした腕。
長く、
こってり飾りの着いた爪。
「こんばんわ、久ぶりぃー。」
「・・こんばんわ。」
カイトはこの女、牧瀬美優と
云うアイドルが過去に俺と
付き合っていた事を知らない。
もし知っていたら、彼の事だ。
女に頼まれても呼びはしない。
もうどのぐらい経つか。
一年くらい付き合ったかな?
今となっては何が良くて
付き合ったんだかサッパリだ。
確かに容姿はいい。
歌はさして上手くもないが
大阪出身だしバラドル的要素も
あって人気だ。
でも、そんなものは
アクマで表面上のものだし
付き合えばただの男と女だ。
そう云えば・・
なんで別れたんだっけ?
「あのコの事、めっちゃ
可愛がってるみたいやん?」
チロン、っと
俺を横目に見遣った。
・・・ああ!! 思い出した。
そうだ、ハンパない
ヤキモチ焼きなんだった。
「当たり前でしょ? だって
あんなに可愛いんだよ?ねえ?」
「うーん。食べちゃっても
いいかな?って、思っちゃう
よねぇ。あ、ダメ?」
アハハハと彼と肘を付いて
笑い合うも、つい
センター分けから覗く広い
額にややキツめのデコピンを
カマしたりして。
俺は膝上に
携帯を取り出しメールをうつ。
件名は"避難勧告"で。
パターン的にはこの女、
これからヤケ酒になるから。


