いつの間にか背後のシアに
→→→な、視線。

毛穴が見える
位置まで来て観察してやがる。


鼻を鳴らして嗅ぎ回り、
その様子は・・
あまりに変態っぽいし、

アホがウツるといけない。

両手をグーにして身を凝固
させてるシアの背中を寄せて
庇い易い様、前に移動させた。

丁度、俺の腹筋辺りで庇われ、
恐る恐る後ろを振り向いてる。

ドギツイ金髪、大きな目、
バカっぽい
"アィーン"の顔まね。

相変わらず芸がない。



「歯医者の世話になる?」



片手は怖いもの見たさの
シアを目隠し、イラついてた
右手は"カモーン"、

「バキバキッ」と
指鳴らしした拳をアホ顔の
眉間に突き出してる。



「じょ、冗談ですやんっ!!」


待った! の、ポーズのまま
ずさささーっと
エビ逃げしやがった。

ひょっとして・・
社長とグルか?



「世話になりたきゃ我が家の掟、
"居候バージョン"を学べ。OK?」


「はいッ。」


兎も角、
玄関先ではなんだから
仕方なく家に上げリビングで
コーヒーを出してやった。



「その一、
自分の事は自分でやる!

その二、
常に整理整頓!汚すな、
散らかすな!

その三、
両親、兄弟、友人、恋人など
絶対勝手に連れ込むな!

その四、風呂は一番最後。

その五、
俺の付き人には近づくなッ!

守れなければ即退場・・以上」



「はいッ。守ります、です!」

「よろしい」



シアの為に
四と五は今、付け足した。
サングラスを棚に置き、
コーヒーを入れてくれた
彼女に目配せする。



「怖がらなくていい、
彼は・・えーと」

「"Adrenaline J's"のベース、
ナスティどェス!
よろ・チク・、痛ァぃ!!」


「追加その六、
お下品なギャグ禁止。」

「ラジャ・・。ぅぅ゛」



先を読み、
タンクトップの上から
思い切り奴のチクビを
摘んで捻ってやった。

胸に腕を交差させてオッパイを
摩り、椅子から仰け反って悶絶。


俺は決して
男を甘やかさない。