+ missing-link +

『JudeとアドレナリンJ'sの
ナスティ異色の限定ユニット、
"Jude+N"はずっと秘密裏に
今日のリリースまで・・・』


えっ・・・?
そんな企画があったんだ?

この前まで一緒だったけど
全然知らなかった。



『・・それでは、何所よりも
早くお届け致しましょう。
"Jude+N"、曲は
"ここにいるから"・・。』


なんで静かな・・2人で
アコギのバラードなんて?



"知っているつもりさ

君が愛されること
知らなかったこと

誰より不器用だけど
その清らかな瞳だけでいい

腕に抱けば見えるんだ
目を覆いたくなる現実が

傷だらけの微笑みが痛い
闘ってること隠さないで

少しでいいから瞳を閉じて
ここで良ければ羽を休めて

お願いだよ
My ・・・"



『実は今日、あのSiaちゃんの
お誕生日の様です。さて・・?』



「えっ・・・!? 私・・?」

「・・ふふ、だとしたら
粋なプレゼントですね。」

「・・・。」


まだ曲は続いているのに、
DJにも専務にも

「ウルサァーイ!」

・・って、言いたい。

私はずっと
歌詞のヒトツヒトツを噛み締め、
心に沁みるアコギのメロディに
ずっと耳を傾けていた・・。


「アッ。」


急に車を止められて
折角の曲も聴き終えれなかった。

次のCM撮影の現場に
どうやら着いた様だった・・。



「鬼・悪魔・人でなしーッ。」

・・とも、云ってみたい。



「え・・? またですか?」

「スタッフはどこも、シアさんの
驚いて喜ぶ顔が見たいんですよ。
年に一度の事、我慢して下さい。」


そう云って専務はドアの前、
私に黒い布を使って目を覆う。

もう、今日何度目の目隠し?

嬉しいけど、こう何度もじゃ
驚きもできないですって・・。


「すいません、直に着きます。
道を一本間違えてしまって。」


そう云って目隠しのまま
また車を移動させた時には
もう・・別の曲が掛かっていた。


・・・・酷いですよ。