今の所確実な原因が解らない。

だから
問い詰めたり、
無理をさせない焦らないこと

独りで外出させないこと

戻るまで絶対Hはしないこと


「・・・・おサワリもダメ?」

「駄目。」


他にもいろいろと言われたが
俺としてはどんな条件にでも
耐える覚悟はあった。


「シアさん、いいですか?
彼の言うことをよく聞いて。」

「はあ・・。」


彼女は荷物ひとつで
ちんぷんかんぷんのまま
俺の家に連れて来られ、置き
去られてしまったかの雰囲気。

その日の夜7時を過ぎた頃、

俺の家には那須は勿論、サクヤ
柘植も彼女の女友達を
連れてリビングに集結していた。


「柘植くん、レクタは?」

「・・・置いてきた。」


彼の愛犬の名前まで
しっかり覚えているし、
全員の名前も間違いなく答えた。

やはり、「俺だけ」なのだ。


「・・天罰だな。」

「ウン」

「ちょっと!
・・オイタが過ぎたんちゃう?」

「右に同じくかなァ・・。」



サクヤが呟く
女が頷いて俺をチロンと見る
柘植が肩を揺らして小さく笑う、
那須が遠慮がちに言った・・。


「アー、そうでしょうとも。」


予想はしていた言葉に
多少スネながら彼女の荷物を
部屋まで運んで戻って来た。

那須は前にやった
屋上キャンプの時の
写真を彼女に見せている。


「ほら、シーちゃんと
肩組んで写ってるでしょ?」

「・・・ええ。」

「シア? 最後に
覚えてることってある?」

テーブルの周りで見守れながら
そう訊ねた俺の顔を見上げた。


「隣の禅さんが・・朝?
ドーナツを買って来てくれて
一緒に部屋で食べた・・。」


そこからしか
もう覚えてないらしい。

すると那須と
サクヤが顔を見合わせたんだ。


「「禅ってlose endの熊谷?」」