「・・・。」

お風呂上りスキンケアを済ませ
鏡で自分の顔を見続けてる。

これは私なのに
私ではないみたいに映る
気のせい・・?

もやの中に居るみたい
頭がどうもスッキリしない。

そう云えば今日、専務が
誰か鍵を返しに来るとか
云ってたけど・・。

それすらハッキリ覚えてない
どこかおかしいのかな?
取り合えず待っていよう。

バスルームから出ると丁度
禅さんが二階に上がって来た。


「長いから心配したよ。
へー、素敵なローベッド」

「ごめんなさい・・あっ。
そこに座っちゃダメーッ!」


咄嗟に声を大きく上げて、
ベッドに腰掛けようとした
彼を制止した。

自分はしゃがんで
なぜか耳を手で塞いでる。

私・・何やってるの?


「破裂しちゃ・・う?」

「え? ふふ、何云ってるの?」


ビックリした顔の後笑って
彼は
ベッドに普通に腰掛けてる。

なんで禅さんが座ると・・
ベッドの中のジェルが破裂する
なんて思い込んでるんだろう。

誰がそんな事云ったの?
説明書にそんな事かいてたっけ?


「そのネグリジェ可愛いね、
こっちおいで・・?」


彼に手を差し伸べられると
吸い寄せられるかに近づいて
隣に座らされてる・・。


「あの・・お風呂入ってる間、
誰か来ました・・?」

「ううん、誰も? 」

「そう・・ですか。」


恩田さんが言ったのは
聞き違いだったのかな・・。


「シア? 今日ナンか変だよ?
どうしたの? 何か心配事?」

「あ・・いいえ・・ん」


頬を撫でられ
唇を合わせる瞬間でさえ
ボーッと熱が篭っている様な。


「んン!」

「力抜いて」


そのまま後に押し倒され、尚も
唇を奪い続ける彼の手が体中を
弄り始めた。


「ア・・、待って
んっ・・私達まだ・・」

「まだ? 順序が違う?」

「そんな、キスからいきなり・・」


やっと彼が首筋への愛撫を止めて
上からじっと私を見つめ出した。

片手の甲にキスして首を傾げてる。


「だって・・交換日記もまだ・・。」


「・・・・・・・・え?」