「ただいま~・・。」
誰も居ない部屋で、そんな習慣。
1人暮らしの女性はこうやって
入った方が良いらしい。
とは云え、このマンションは
シーグラスの物件。
変な人も
入って来れないと思うけど・・。
鍵を開けている間、
隣の住人が帰って来た。
初めて他の人と会って、
ついお互いが
「「 あ、どうも。」」
なんて、腰を折る。
リッチなグラサンに
ウェービーな
栗毛のボブスタイルの男性。
体系は細すぎないって印象で。
昼過ぎに帰って来てるから
リーマンと云う職業ではなさげ。
ファッションも少し派手な気も
したが・・別に興味ない。
「ほら、ゴメンね?」
そう云ってバッグから出した
ラフィが
体をパタパタパタと振っている。
鍵をちゃんと閉めて今日は
残った時間をたっぷり満喫しよう。
そう心に決めて、冷蔵庫を覗く。
ぶどうジュースと、まだ開けても
いないワイン・カステラしかない。
何所に寄るのも・・怖いから、
真っ直ぐに帰って来てしまった。
こうやって臆病になったまま、
こうやって部屋で過ごす人生。
それって・・どうなんだろう?
太陽に会えなくなる生活を
覚悟して嘆き悲しむ
モグラの所に嫁入りする寸前の
親指姫の気持ちだ。
とほほ、って言葉が今ぴったり。
出前も取った事がない・・ああ、
こんな事になるなら
カップめんでも買って置くんだった。
ワインカステラは那須さんに
渡して貰おうと思ってたから
手をつける訳には行かない・・。
結局・・ピザの宅配を頼むしか
なかった。これで昼夜、兼用で
後の分は暖め直せばいいや、と。
思えば・・柘植くんちの近くに
住んでた頃はまだ自由だったな・・。
どこにでも行けたのに。
ピンポーン・・・・
「・・・?」
電話を切ってまだ十五分ほど。
ピザ屋さんにしては速い。
こんな時間に誰だろう?
すぐインターホンのモニターを
見に行った。
誰も居ない部屋で、そんな習慣。
1人暮らしの女性はこうやって
入った方が良いらしい。
とは云え、このマンションは
シーグラスの物件。
変な人も
入って来れないと思うけど・・。
鍵を開けている間、
隣の住人が帰って来た。
初めて他の人と会って、
ついお互いが
「「 あ、どうも。」」
なんて、腰を折る。
リッチなグラサンに
ウェービーな
栗毛のボブスタイルの男性。
体系は細すぎないって印象で。
昼過ぎに帰って来てるから
リーマンと云う職業ではなさげ。
ファッションも少し派手な気も
したが・・別に興味ない。
「ほら、ゴメンね?」
そう云ってバッグから出した
ラフィが
体をパタパタパタと振っている。
鍵をちゃんと閉めて今日は
残った時間をたっぷり満喫しよう。
そう心に決めて、冷蔵庫を覗く。
ぶどうジュースと、まだ開けても
いないワイン・カステラしかない。
何所に寄るのも・・怖いから、
真っ直ぐに帰って来てしまった。
こうやって臆病になったまま、
こうやって部屋で過ごす人生。
それって・・どうなんだろう?
太陽に会えなくなる生活を
覚悟して嘆き悲しむ
モグラの所に嫁入りする寸前の
親指姫の気持ちだ。
とほほ、って言葉が今ぴったり。
出前も取った事がない・・ああ、
こんな事になるなら
カップめんでも買って置くんだった。
ワインカステラは那須さんに
渡して貰おうと思ってたから
手をつける訳には行かない・・。
結局・・ピザの宅配を頼むしか
なかった。これで昼夜、兼用で
後の分は暖め直せばいいや、と。
思えば・・柘植くんちの近くに
住んでた頃はまだ自由だったな・・。
どこにでも行けたのに。
ピンポーン・・・・
「・・・?」
電話を切ってまだ十五分ほど。
ピザ屋さんにしては速い。
こんな時間に誰だろう?
すぐインターホンのモニターを
見に行った。


