また・・当分此処に来れない
と思うと寝るのが惜しくなる。
けど、楽しい時間って本当に
アッと云う間で・・
キッチンでカップを洗いながら
那須さんとおしゃべり、
そして顔を洗いに行って
戻って来てはまた。
「お肌に悪いんだから。
ホラ、もう消灯・・!」
とうとうジュードさんに
"猫ツマミ"で寝室まで連行。
彼のパジャマを着せられた。
さすがに彼ももう疲れたのか
私を腕の中に取り込むだけで
眠ろうとしていた・・。
「俺ね・・、そんな事(避妊)
考えなかったのシアだけかも
しんないよ?本気だから・・
責任取れると思ってた・・。」
「ジュードさん・・。」
「だから・・薬の事を知った
時は、それもショックだった。」
正直な人である。
私がベッドから這い出て、
トイレに行く理由を彼は
当然知っている。
だから・・意地悪なフリで
引き止めていたんだと思う。
「シアは・・そんなの、
まだまだ考えてないでしょ。」
「怖いだけ・・。ちゃんと、
愛してあげられるかどうか。」
彼はまだ眠ってなどいない。
予想外な台詞だったのかな?
でも本当に、未だに時々・・
人の事もちゃんと
愛せているか、
ふと不安になったりする。
「"見えない子"には・・
したくないんですよ・・。」
かつての私がそうだった様に。
私の云うそれは、
アダルト・チルドレンで云う
ロスト・ワン(いない子)とは
また違う。
家族内における身の安全などに
なんの興味がなかったから。
「・・・・。」
その言葉のせいか、
彼の小さな溜息が耳元で聞こえた。


