「わ・・、私はもう・・。」

「俺・・?」

「ええ・・。」


壁にやっと体を支えてた彼女は
タオルを取って足元に置く。

俺を壁に立たせて・・まさか。
自分は膝ま着いて俺を見上げた。


「ン・・、」

「シア、止せ、そんな事・・!」


あろう事か彼女が・・!?

恐る恐る、そっと手で触れて
届く所まで舌を這わせ、
もどかしい唇で俺を呻かせた。

シアにしては大胆過ぎる行動で
驚いたが・・ちゅくっ、ちゅくと
一生懸命な音が聞こえて
それだけで堪らなくなるもんだ。

教えもしないのに、そんな
愛し方をしてくれるなんて・・
愛おしさと同時にアレも膨らんだ。

前屈みにシアの小さな頭を
撫で回し、

けして押さえ付けない
様に切ない息を漏らしてしまう。

濡れた髪から覗く耳が赤いのは
暖かいミストのせいじゃないね?

咥えられてもいないのに・・

俺が今・・まるで童貞みたいに
どれだけ
ドキドキしてるか解るか?


「んっ・・もう届かない・・」

「・・・・!」


暴発するかと思った。

彼女の吐息とその言葉に
とうとう色情が押さえ切れず、

俺はスチーム・シャワーを止め、
掛けてあったバスローブを
彼女に巻きつけて抱き上げた途端、
そのままベッドに放り込んだ。

悪いけど・・
今日もまた何所へも
連れて行ってやれない。

ガラスブロックからの陽が暖かい
ベッドルームで
別のトコロに招待するから。

ずっと、この温かみ
ずっと、この柔らかさ

そして
体温に溶けるこの優しい香りが
ずっと・・欲しかったんだ・・。


「・・お帰り、シア・・。」


お前しか・・
与えてくれないものがあるんだ・・。

しどけなく巻きつく腕に抱かれ
何度イッては微笑みあった。


「っあ・・・。」

「ふふ」



伏せ目がちに
引き寄せられるまま俺の鎖骨に
頭を乗っけてる。

許しを乞われる迄(許す訳ない)
堪能させた彼女が目覚めたのは
もう19時半を回っていた。


「お腹空いたね」


食事にでも行こうかと思った
その時だったんだ。


「・・・また? 」