駆け寄ってきた1人の男性が
私が着ていた黒のロング・
カーディガンの袖を引っ張ると
何人もが手を伸ばしてきた。
プロレスラーにタッチする
のとはまた少し違ってる。
皆私より背が高くて
わあわあ囲まれると
どうしても体が竦むのだ。
"怖い"
この中にブッチが云った、
アルオトコがもし
紛れていたら・・?
「・・・!」
その場にしゃがみ、小さいのを
生かして足の間を掻い潜る。
輪の外に出て、また一気に
走り出す。交番の前を通ったが、
中には誰も人がいない。
タクシーを拾おうとして立ち
止まれば、知らない男の人達
が3人、こちらに向ってくる。
何で
歳の違わない女子高生まで?
後を振り返ればまたさっきの
連中が探して歩いてる・・。
もう、逃げるしかなかった。
恐怖でイッパイ、イッパイ
兎に角走って、逃げて逃げて。
「あっ・・!」
ニイのブーツで走ってるんだ、
足がもつれてその内、カクッ
と足くねらせてコケてしまう。
「っ、ぁ・・。」
日本はもっと平和だった筈。
擦りむいて血が出た膝は笑う
様にガクガクと震えていた。
此処で座ってちゃまた囲まれ
るし、捕まっちゃう・・。
恐い、一般の人がこんなにも
恐ろしく感じるなんて・・?
私になど興味のない冷たい
視線を送るスーツ姿の人達を
気にもしておられずに急いで
ヨロヨロと立ち上がった。
タクシーが拾えそうな所を
探さなくては・・。
公園前まで来てしまった。
こんな時に限ってヒトケが
ないなんて本当にツイてない。
「・・おっと! 見っけぇ!」
「!!」
イキナリ後から左右で
両肩を組まれ、
恐る恐る見上げた。
一番苦手なタイプに
捕まってしまった様だ・・。
「うわ~、いー匂いするねえ」
おまけに凄く慣れなれしい。
顔を近づけてきてクンクンと
鼻を鳴らして2人ともが肩を
しっかり掴んで私を追詰めた。
「やめてください」
彼らにとってはほんの
悪戯心なのかもしれないが
蚊の鳴く様な私の声は震えてる。
私が着ていた黒のロング・
カーディガンの袖を引っ張ると
何人もが手を伸ばしてきた。
プロレスラーにタッチする
のとはまた少し違ってる。
皆私より背が高くて
わあわあ囲まれると
どうしても体が竦むのだ。
"怖い"
この中にブッチが云った、
アルオトコがもし
紛れていたら・・?
「・・・!」
その場にしゃがみ、小さいのを
生かして足の間を掻い潜る。
輪の外に出て、また一気に
走り出す。交番の前を通ったが、
中には誰も人がいない。
タクシーを拾おうとして立ち
止まれば、知らない男の人達
が3人、こちらに向ってくる。
何で
歳の違わない女子高生まで?
後を振り返ればまたさっきの
連中が探して歩いてる・・。
もう、逃げるしかなかった。
恐怖でイッパイ、イッパイ
兎に角走って、逃げて逃げて。
「あっ・・!」
ニイのブーツで走ってるんだ、
足がもつれてその内、カクッ
と足くねらせてコケてしまう。
「っ、ぁ・・。」
日本はもっと平和だった筈。
擦りむいて血が出た膝は笑う
様にガクガクと震えていた。
此処で座ってちゃまた囲まれ
るし、捕まっちゃう・・。
恐い、一般の人がこんなにも
恐ろしく感じるなんて・・?
私になど興味のない冷たい
視線を送るスーツ姿の人達を
気にもしておられずに急いで
ヨロヨロと立ち上がった。
タクシーが拾えそうな所を
探さなくては・・。
公園前まで来てしまった。
こんな時に限ってヒトケが
ないなんて本当にツイてない。
「・・おっと! 見っけぇ!」
「!!」
イキナリ後から左右で
両肩を組まれ、
恐る恐る見上げた。
一番苦手なタイプに
捕まってしまった様だ・・。
「うわ~、いー匂いするねえ」
おまけに凄く慣れなれしい。
顔を近づけてきてクンクンと
鼻を鳴らして2人ともが肩を
しっかり掴んで私を追詰めた。
「やめてください」
彼らにとってはほんの
悪戯心なのかもしれないが
蚊の鳴く様な私の声は震えてる。


