Judeと云う人は
"非常に受け皿の大きい人"
だと柘植もサラリと云った。

彼も私の言葉に同調しながら
真面目すぎる物にならない様
上手く話しを進めてくれた。

そして話しは映画に出る迄の
エピソードなどに少し触れて
映画の宣伝もちゃっかり
させて貰い、トークを終えた。



「・・やってくれましたね。」

「本当の事です・・これで私、
心置きなく向こうに行けます。」


撮影現場を後にした車の中、
運転している専務にそう云った。

当分の間、
私には語学留学を兼ねた渡米が
決まっていたのだ・・。

柘植は勿論その事を知っていて
小さな打ち上げ花火の
手助けをしてくれた。

彼としては一石二鳥、
私との一対一のトークは凄く
視聴率が跳ね上がったそうだ。


「恩田さん。ナンだか
急にお腹が空いてきました。」

「ふふ・・。
もう吐かないでくれたら
何でもご馳走してあげますよ。」


拒食症も不眠症も
少しづつ治って行った。

そして・・二日後、
私はロスへ向う為空港にいた。

友達にはメールを送ったが
ジュードさんには・・
どうしようか最後まで悩んだ。

差し出がましい事をしたかも
しれない・・

でも、いつまでもヒールぶって
貰いたくなかったから。

いつもとっても忙しい
ジュードさんで
あってほしかったから・・。


そう思うと・・
メールを打ち込んだ。


『お体に気をつけて』


と・・それだけ。