「相談してもいい?」

「・・まあ?
俺でいいんやったら。」



初めて新しい部屋の
カウンターキッチンの内と外、
柘植に
アーモンド・オレを出して
真面目な話しをしていた。


「私ね、ジュードさんの事、
愛してたんだなって・・
今更思うようになって。」


「うん、それで?」


「世間では色々と
言われてるでしょ?
でもね、私にとって
彼は"花の王子様"なの。」


「あー・・。」


雑学を良く知る彼のコト、
私が云ってる意味が
解ったらしくニヤニヤしてる。


「それを・・報せたい訳?」

「うん・・でも、
もう手段がなくて・・。」

「覚悟あるン? それやったら
手がない事ないけど・・?」


迷わず頷いてた。
どういう理由があったにせよ、
彼は私に
精一杯の愛情を注いでくれた。


「・・・・、
恩返しできたらいいかな。」

「ふふっ・・、
事務所は泡ふくかも。」



シェジュとの事はどうでもいい。

彼を少しでも救いたい。
ただ、それだけだった。



・・その後、柘植の番組で
生トーク番組への
出演依頼があった。

もちろん、妙な事は聞かない
約束で出演がきまったのだ。

マンションでの一室の、
コタツで向かい合わせの設定。

彼はいろんな人とのトークで
イロンナ噂話を引き出していく。

そしてとうとう、
私の番がやってきた。

私とは犬友でプライベートでも
仲良くしてるって事から
話しを切り出した。

そして、ジュードさんの
付き人時代に話しはさかのぼる。


「まぁ、色々と
噂はあったみたいやけど?」


予定にない事を
彼が言い出したので
周りのスタッフに恩田さんが、
クレームを付け出した頃・・。


「ええ、色々と。でも、彼は
私の背中に羽を付けてくれた、
もっとも尊敬すべき人ですから。」


親指姫の背中に羽を付けたのは
花の王子と決まっている。

問題発言でもなんでもない。


「私、ジュードさんがいなければ
今の自分はないと思っています。
本当に、大好きな人でした・・。」



やっと、云えた。