「ブッ・・・! 灰色猫に
口止めされるてるワンコだぁっ。」


厳重に鍵を閉めた彼女が
リビングに居た私を指差して
ケラケラ笑ってる。


「だって・・ラフィが・・
もう少しでバラしちゃう
トコだったから・・。」


「初めて生Jude見ちゃった。
女泣かせっぽいカンジー!
ナンか、ブツブツ云ってたよ?」



ラフィはソファの私の膝の上、
口を塞がれジタバタしてる。

なに、懐いちゃって・・。

でも、念の為に鍵を変えて
貰っていて良かった。

当分は会いたくない・・。
でも、どうして来たんだろう?


「荷物取りに来たとか?」

「彼の私物なんてないもの。」


下着一枚ない。まさか・・
私を待っている気だったとか。

シェジュがいるのに
それはないよね・・?


「んーとね、ミルクとのど飴
買ってきたから、今夜は
ちゃんと寝てなきゃだめだよ!」

「うん・・アリガト。
じゃ、気をつけてね・・?」

「じゃっ、またメールするね。」



下にタクシーを待たせている
らしい。慌てて帰っていった。

本当に彼女は面倒見が良い。

汐ちゃんが風邪ひいたら
次は私がお世話しなくちゃ・・。



「ごめんね、ラフィ。
大好きなジュードパパとは
もう、会えないかも・・。」


わんこって・・
表情豊かだよね。・・淋しそう。

でも私も同じだよ・・?



"俺の事も愛してよ。
でなきゃ寂しい。"

"俺はシアのことが大好き・・
とても愛おしいし、
カナリ愛しているからね?"

"俺には
一番しかいない・・!"



・・・愛って言葉は時々
棘より痛い。

抜いてしまえば・・もうお終い?

______ ねえ?


今までのコト、私の頭の中、
再現しようとするでしょ?

まるでね・・、
"サイレント・ムービー"みたい・・。