＋ ｍｉｓｓｉｎｇ-ｌｉｎｋ ＋

全ての予定を終え、
クタクタになった
私達はホテルに戻る事にした。

まだ会場内は賑わっていて
報道陣は外に殆どいなかった。


案内係りに
ココで待ってる様云われて
待っていただけだ・・。

シェジュがニヤニヤと私達を
横切って行ったのだ。

その彼女の降り立った場所に
一台の高級車が止まって・・

夢かと・・思った。

できればこのまま、
キゼツしてもいいだろうか?


「これからデートなの」


彼女の勝ち誇った笑み。

その相手は・・運転している
ジュードさん、
なぜ・・? 貴方なんですか??


「ジュードくん・・?」


カイトでさえ呆然としてる。

ツアーより・・
日程が早いようだが。

彼は・・
いつも通りサングラスを掛け、
開けた窓から軽く手を上げて・・
ちらりとだけ此方を見てから
車を走らせた。


「ふふ。・・がっかりしました」

「シーちゃん・・。」


その後を唖然と目で追う。
気が着くと
２人が心配そうに私を見てるから
思わず笑って云った。

正直・・
そんな人だと
思わなかったと云う気持ちだ。

まさか・・
やっぱりタダの男だったなんて。





「ドイツともお別れですね。」


監督とお茶を飲みながら呟いて。
翌日、お祭りも最終日。

結果・・、
ノーマークなんて
云ってた作品が
監督賞と金を掻っ攫った。

残念ながら出演者達は
新人賞を逃した。
今年は凄く難しかったらしい。

特にがっかりも
していなかったが最後の最後で
ド新人なのに
私は審査員特別賞?
なるものを頂くことが出来き、

花瓶ほどの大きさの
トロフィを頂いた。

複雑だった・・。
一番喜んで貰いたかった人は

もう私の傍には居ないのだから。