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人通りの多い場所だと安心、
カップルも多い中、一人淋しく
ウィンドウを眺めて歩いてた。

そう云えば、クリスマスも
お正月も全然味わえなくて
もうすぐバレンタインなんて。

こんな生活になってから、
世間では素敵な日が仕事ばかり。

きっと、これからも
イッパイ失うものがあるんだ。

今更そんな風に思うなんて
私はまだ"お子ちゃま"だ・・。


「うぉ、あれ! Siaぢゃね?」

「ホントだ! かぁわいぃ~!」

「ハリウッドじゃーん・・!」


えっ・・?

あっと言う間になんか
ガラの悪いっぽい男の人3人に
路上で囲まれてしまってた。


「あ・・・。」


どうしよう・・。
皆ダボタボの服着て、
クチャクチャガム噛んでて。

ネックレスとかジャラジャラ、
ハナピつけてる人もいて。


「ひゃ~めっちゃ、チッサ。」

「どこ行くのぅ~?」

「おっ、ワンコも一緒ぉ?」


完全にからかわれてる私。
手を伸ばされると過剰に
反応して身を避けてしまう。


「そーんな、怖がらないでぇ。」


怖い顔は怖い。
髭面で近づかないで・・!


「ちょっと!!!どいてッ!」

「!?」


彼らを押し割って入って
来たのは髪の長い・・女の子?
何で?? 危ないってば・・!


「遅いよ!!シアちゃん!
スタッフとか待ってるんだよ!?」


キンキン声で怒鳴られて。
彼らでさえ耳を塞ぎ、
顔を顰めてる。


「あ・・ゴメンなさい・・!」

「ホラ、早くっ!!
一体ドコほっつき歩いてたの!!」


グイと手を引っ張って、
カンカンになって怒ってる。

でも・・知らない女の子。

彼らを"どいてっ!"とまた
書き分け、曲がり角まで一気に
私を引っ張って走るのだ。


「ここに入ろ!」

「えっ・・?」