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「はい・・ええ、
有難うございます。ッア・・
いい、え、なッ、何でも・・!」


朝、コーディネーターから
監督に代わって電話があった。

話している間もジュードさんは
放してくれず、

ベッドの中、後ろから弄られ
ながら電話を取らされていた。


「・・なんだって?」

「んっ・・、
帰ってもいい・・、って」

「残念・・。」


・・過労で倒れたと云うのに
忘れてるんじゃないだろうか。

やっと身支度を整えて
恩田さんと下で合流。

専務は飛行機のチケットを
コンシェルジュに頼んでた。


「じゃ、名残惜しいけど・・」


恩田さんに"あっち"を
指差した彼は空かさず、

海外だからって・・
遠慮なく私にキスをしてから
タクシーに乗って行った。

私達も空港に向って車を
走らせていた、その途中で。


「ねえ、恩田さん・・韓国の
シェジュって人をご存知?」

「あまりいい噂を聞いた事が
ない女優ですよ。」

「・・そうですか。」


売れる為なら何でもする。

日本で芸能活動をするらしく、
向こうのスタッフが、
プロダクションを探してた。


「何やら、本国の事務所と色々
まぁ・・トラブったみたいで?」


専務が言葉を濁すのは私に
聞かせたくない話だったのだ。

あのホテルに居たのは偶然?
ジュードさんは利用しただけ?

何となく・・
このまま日本に帰るのが不安。

これって・・
ヤキモチとか、嫉妬なのかな?