ジュードさんの手はすべやかで
しっとりと暖かく、私の
気持ちを落ち着かせてくれた。
韓国の女優さんとの
事がどうあれ、
私の元へやって来て
こうして頬を暖めてくれている。
私にはその事実が全て・・。
♪~♪~
「「・・・!」」
携帯が鳴ったので
彼が渡してくれた。
相手はコルドマン監督だった。
『シィ、たった今
"ソウル・ブルー"が
各部門でノミネートされたよ!』
「ホントに・・・!?」
出品=ノミネートではない。
世界中から集まった作品の中、
選ばれただけでも凄い事なのだ。
「あ・・。どうしよう・・。」
私は監督にお礼を言って切った後
起きてジュードさんに縋った。
「ドイツ映画祭で・・
ノミネートされたって・・」
「・・・・やったじゃん!!
・・・なんで泣くの?」
彼は呆れ顔で笑ってる。
背中を手のひらで摩って
叩きながら抱いてくれていた。
「わ、わかんない・・。」
報われた気がしたのか・・
まだ賞が取れた訳でもないのに。
いつも心のドコかで、
何かしら沸き起こる不安に
折れそうになっていたから。
「お祝いしようよ」
「そんなの・・いいです・・
ご褒美はこれで十分・・。」
お願いです、
今、ちょっとだけ
甘えててもいいですか・・?


