____ Judeは・・
知っていて
私にこんなイジワルを??
500円玉を握り締め、
そびえ立つ巨大な・・
自動販売機の前に立ち竦む。
一体誰がこんなものを
この世に作り出したのか。
開いた口を閉じた途端、
私は自然と
唾を飲み込んでいた。
彼の吸っている煙草は
一番上の列にある、
あの・・白いの。
ジャンプしても後、もう少し
が届かないのである。
周りに椅子はない。
乗れる様なものも。
そして頼める様な
人ケもないのだ。
煙草ひとつ
買って帰れない様では
付き人として失格である。
誰も居ないのだ・・。
そう思い、靴を片方脱いだ。
ぴょーん、バシ。
ぴょーん、バタ。
モアイ像に止まる
ハエでも叩いてる気分だ。
にも関わらず、軽すぎるのか
ボタンが凹まない。
困った・・
本番が始まってしまう。
ふと周りを見回した。
あるのは足元になぜか消火器。
持って見ると結構重い。
だが、もう
迷っている時間はなかった。


