運も実力のうち・・
ホントにそう思う。

勝負運の強い俺は
日本を含むアジア・ツアーを
成功させ、そのまま
休む間もなくロスへと飛んだ。

プロモーションと
レコーディング・・そして
彼女に会うために。

がんばり過ぎたんだろう、
撮影が終ったその日に
ぶっ倒れてしまったそうだ。

俺を空港までタクシーで迎え
に来たのは恩田さんヒトリ。
彼女はホテルで休養中だった。


「プレッシャーもあったし、
撮影方法も違ってて、本人も
大変だったんですよ・・。」


重圧のお陰か
食欲はなくなっていく一方、

例え端役でも決まりで
撮影中はスリーサイズを
変えてもいけないのだ。


「まだ用事がありますから」


部屋に案内だけして
彼は気を利かせてくれたらしい。

ドアを開けてくれた彼女は、
エクステも取って、会った時と
同じ髪型に戻っていた。


「お久し振・・ぐっ」

「このヤロウ・・!!」


やっと叶った・・。

ドアを後手で閉めてから
ガバリ!!

お腹のアンコが出そうな位
抱きしめてやれた。

腕の中で"キュウ・・"って
声にならない声がしてる。


「ふふ、私・・
一応、病人ですよ?」

「うっさい・・!
・・解ってるよ・・!」


もうちょっとだけ・・
このままいさせてくれ・・。